独立行政法人 労働者健康安全機構 秋田労災病院

秋田労災病院通信

秋田労災病院通信 No.156 平成29年1月発行

「フレイル」について

中央リハビリテージョン部長  大島 康浩

<フレイルとは>

加齢に伴い私達の心身には様々な変化が起こってきます。これらが進行すると、転倒や日常生活障害、要介護といった問題が生じてきます。生理的予備能力が低下し、ストレスに対する脆弱性が亢進して、不健康を引き起こしやすい状態をFrailityと呼びます。日本語では「虚弱」等の意味になりますが、2014年に日本老年医学会により「フレイル」と呼称され、一般にも使用されるようになっています。

免疫力を高める食べ物を上手にとりましょう。また、適度な運動を生活の中に取り入れて習慣化しましょう。そして睡眠を十分にとりウィルスや菌に負けない体を作りましょう。

<フレイルの判定>

現在広く用いられているFriedらの定義によれば、以下5項目のうち3項目以上該当するものをフレイルとしています。①体重減少 ②筋力低下 ③疲労感 ④歩行速度低下 ⑤身体活動低下。各項目の具体的な基準についてはまだ議論の余地がありますが、最近の大規模調査研究の結果より、①6ヶ月で2〜3kgの体重減少 ②握力低下(男26kg女18kg未満) ③わけもなく疲れた感じがする ④歩行速度1.0m/s未満 ⑤運動・体操の習慣なし、が示されています。

<予防と対策>

栄養の確保と運動が推奨されています。栄養面では、バランスのよい食事とともに、タンパク質やビタミンD・カルシウムが重要とされています。運動は特に効果的な予防方法として重要であり、レジスタンス運動や歩行等の運動とともに、日常生活で身体活動量を増やすことも大切です。私は、手軽な方法として、歩数計の使用(できれば記録も)をおすすめしています。歩数計を装着・使用するだけで歩行量・活動量が増加するとの研究結果も示されています。

クリスマスコンサートが開催されました!

12月14日(水)に成章小・中学校によるクリスマスコンサートが開催されました。病院ホールにて、吹奏楽の演奏や合唱をおよそ100人の方々が楽しみました。入院患者の方々も多数聴きに来ていただき、大変満足されたご様子でした。

1時間ほどのコンサートでしたが、楽しい時間を過ごせました。

吹奏楽の演奏や合唱