独立行政法人 労働者健康安全機構 秋田労災病院

秋田労災病院通信

秋田労災病院通信 No.163 平成29年8月発行

介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)ってなあに?

 

医療ソーシャルワーカー  長牛 広高

 介護保険法の一部改正により、平成27年から「介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)」がスタートしました。

 

 平成29年4月には全国の事業所でサービスが開始されています。大館市でも平成29年4月より開始となりました。従来の介護予防サービスは、国の介護保険制度によって基準や単価が全国一律でした。

しかし、新しい総合事業では各市町村が基準や単価を設定し運営することになっています。各自治体が主体となることで自由度が高くなり、地域の実情に応じたサービスを創意工夫して提供できるようになりました。

 

 内容は、「要支援1・2」の方が利用していたヘルパーサービス、デイサービスが総合事業に移行されています。

 総合事業は、何らかの支援が必要な65歳以上のすべての方が対象です。要介護認定で「非該当」の方もサービスを受けやすくなり、「要支援」と「非該当」を行き来するような場合も切れ目のないサービス提供が可能です。また、虚弱や引き込もりなど介護保険の利用に結びつかない方にも円滑にサービスを提供できると期待されています。

 

 サービス利用の流れとして、お住まいの地域包括支援センターや市町村の窓口で、基本チェックリストで判定を受けます。

事業の対象者になった方は、要介護認定を受ける必要がないため更新の手続きも不要になります。認定の有効期限がなく、認定調査や主治医意見書の作成のための受診も必要ありません。手続きが簡単になり、サービスも迅速に利用できることになります。サービスの担い手として期待されているのが、NPO・ボランテイア団体・民間企業・地域住民などによる地域の人的資源や社会参加意欲が高い高齢者と考えられています。

 

 

 高齢者の生活を地域全体で支援する取組が進むことにより、地域活力の向上につながるのではないでしょうか。