独立行政法人 労働者健康安全機構 秋田労災病院

秋田労災病院通信

秋田労災病院通信 No.178 平成30年11月発行

風疹が流行しています

 

 中央検査部 主任検査技師 畠山 陽子

皆さんは風疹が首都圏で流行しているというニュースを見たことがあるでしょうか。風疹とは14~21日(平均16~18日)の潜伏期間の後、発熱、発疹、リンパ節の腫れ(特に耳介周囲、後頭部、頚部)を特徴とするウイルス性の発疹症です。予後は良好で3~4日で解熱し、発疹が出てから7日ぐらいで感染能力が下がるといわれています。ただし3つの症状が必ず出るとは限りません。発熱であれば風疹患者の半数程度で、症状が全くない人も15~30%程度存在します。

風疹に伴う最大の問題は妊娠20週頃までに感染するとウイルスが胎児にまでおよび先天性風疹症候群をおこすところにあります。先天性風疹症候群の代表的な疾患は先天性心疾患、難聴、白内障です。出生後定期的に受診し、場合によっては手術が必要になることがあります。

先天性風疹症候群を予防するためには妊娠前の予防接種が重要です。言い換えれば予防接種をしていれば我が子に障害を負わせずにすむのです。1回の予防接種で95%、2回では99%の効果があるといわれています。