独立行政法人 労働者健康安全機構 秋田労災病院

秋田労災病院通信

秋田労災病院通信 No.169 平成30年2月発行

AG(オーソライズド・ジェネリック)について

 

 

  薬剤師  八重樫恭平
   

 

 従来の後発医薬品は、有効成分の種類や量・用法用量・効能効果が同じであれば、薬の形状・色・味・添加物などを変更しても良いというルールで作られてきました。試験でも先発医薬品と効果が同等であるということが示されているため、薬剤師という立場では患者様に「同じ成分で値段が安くなっていますよ!」と言って説明しています。実際に効果はあるにも関わらず、「後発医薬品は体に合わない…。」という言葉を患者さんからたびたび耳にします。この原因の一つとして、後発医薬品と先発医薬品の添加物の違いが指摘されることがあります。本来添加物は、人体に無害で薬としての作用も示さないことが条件となっていますが、現実問題としてある添加物では接触性皮膚炎や中毒症状の報告まであります。また、学会発表などでは一部の薬剤で先発医薬品よりも有効成分量が少なかったというデータの報告もあります。  

 

 

 こういった話を聞くと、後発医薬品を使用したくないという方が増えてしまいそうですが、ジェネリックメーカーによっては飲みやすさを改善した薬や、皮膚に優しい貼付剤など先発医薬品よりも使い勝手のいい薬があるのも事実です。さらに、ここ数年の話になりますがAG(オーソライズド・ジェネリック)という言葉が出てきました。AGは訳すと「許諾を受けたジェネリック医薬品」です。つまり、その医薬品を最初に製造販売したメーカーからお墨付きを得て製造したという意味です。これは先発医薬品と有効成分だけでなく、原薬・添加物・製法さらには製造工場まで同じ薬もあり、従来の後発医薬品に比べて限りなく先発医薬品にちかく、価格も安いお薬となっています。

 

 

 まだまだ種類は少ないですが、今後こういった薬がどんどん増えていくことが考えられます。先発医薬品を好んで使用されている方は、薬局で自分の使用している薬のAGがあるか確認してみてはいかがでしょうか。