骨粗鬆症を専門とする医師が診療を担当します。骨粗鬆診断のための問診・骨密度測定、血液検査を実施し、投薬治療を中心に、それぞれの患者さまに合わせた治療法を選択します。
骨粗鬆症とは、骨に含まれるカルシウムなどが減ることで、骨にスが入った状態になり、もろくなる病気です。閉経後の女性に多い病気ですが、男性でも起こります。
がんや脳卒中、心筋梗塞のようにそれ自体が生命をおびやかす病気ではありませんが、骨粗鬆症による骨折から要介護状態になり、健康寿命を短くしてしまう可能性もあります。
背中や腰が痛む、背中や腰が曲がってくる(いつの間にか骨折)、身長が縮んでくる、軽微な外力でよく骨折する、など
骨粗鬆症の診断は、骨密度検査、血液検査で骨代謝マーカーを測定して行います。骨粗鬆症と診断された場合には薬が治療の中心になりますが、それぞれの患者さまに合った治療の選択を行っていきます。服薬を続けるのは大変なことですが、患者さまの負担を少しでも軽減できるよう工夫しています。骨密度検査、骨量測定を6カ月~1年に1回の割合で定期的に実施し、予防のためのアドバイスを行います。定期実施以外にも、患者さまのご希望があれば必要に応じて検査を実施します。診療はすべて保険診療内で行います。
骨粗鬆症は骨の生活習慣病とも呼ばれ、発病には加齢や閉経以外にも食事や運動の習慣などが深く関わっています。予防には食事療法や運動療法も大切ですので、栄養管理士とも協力して診療にあたっています。
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)は、骨の強度が下がり骨折が起こり易くなる疾患です。平均寿命世界一の日本では、1,280万人以上の患者がいると言われています。骨粗鬆症で起こりやすい骨折には、背中が丸くなったり、痛くなったりする圧迫骨折や、寝たきりの原因になりやすい大腿骨頸部骨折などがあります。特に大腿骨頸部骨折では、本人の生活の質の低下が起こるだけでなく、社会的コストの上昇にもつながり、社会問題になっています。寝たきりを防ぎ、まっすぐな背中で、老後を楽しみながら生活するために、骨粗鬆症の予防ならびに治療が重要だと考えます。
当院では、2020年1月より、2回/月の骨粗鬆症外来を設け、予防・啓蒙、治療を行っています。骨粗鬆症の病態と危険性についての説明を行うとともに、骨密度測定(半年に1回)や血液検査・尿検査による骨代謝状態(3ヵ月に1回)をチェックしていきます。治療開始後の経時的な骨密度や血液検査データなどから、個別に専門的なアドバイスを行っています。
治療としては、ビスフォスホネート、SERM(選択的女性ホルモンモジュレーター)、ビタミンD3、カルシトニン、テリパラチド(副甲状腺ホルモン)などを用いた薬物療法を行います。副作用の予防や治療効果の判定のために、ほぼ3カ月毎の定期的な受診をお願いしています。
当院では、骨粗鬆症外来とともに、骨粗鬆症に対する栄養指導教室も行っております。薬物治療だけでなく、総合的な予防・治療を行うことにより、少しでも患者様の生活の質の維持・向上や、寝たきりの予防に貢献できたらと考えております。
4月14日付 北鹿新聞